ポータブル電源を使ってみました!
「ポータブル電源」とは?
その名の通り、持ち運べる(=ポータブル)蓄電池のことで、充電しておくことで、コンセントのない場所でコンセント代わりになる便利なものです。普段使いだと、キャンプや車中泊などのレジャーで役に立ちますし、万が一の災害時にライフラインが止まった際も電源として活躍してくれます。
蓄電池なので充電が必要です。自宅で充電したり、小型のソーラーパネルも一緒に使えば、外出先でも充電可能です。
リビングにあうシンプルデザインの蓄電池が登場
ポータブル電源はアウトドアで使うイメージがあり、これまでワイルドなデザインのものが多かったのですが、このたびグッドデザイン賞を受賞したシンプルなデザインのポータブル電源が発売されました。
SABUMA ポータブル電源「 S2200」と「S600」です。
この蓄電池を自宅でモニター体験しました。我が家は家族全員インドア派なので、もっぱら室内に置いて、ホットプレートで焼き肉をしたり、コンセントが遠いところで扇風機を使う時に使用してみました。
シンプルなデザインなのでリビングに置いてもすっとなじみ、違和感は感じません。蓄電池というごっついイメージはまるでなく、ふだん身近にある白物家電というのでしょうか、すでにそこにずっとあったような感じです。大きさは2種類あります。
長時間使えるS2200モデルは災害時に役立つパワーあり
長時間使えるS2200モデルの規格は、電池容量2258Wh、定格出力2000Wとほとんどの家庭用電化製品を長時間使用可能であり、例えば168リットルの冷蔵庫は59時間、800Wの電子レンジは連続約2.8時間、1200Wのヘアドライヤーなら連続約2時間と、一般家庭で災害時に必要とされる2~3日分の電気をまかなえます。災害時に役立つ蓄電池としてふさわしいモデルです。
日常でも使いやすいS600モデル
重さが約8.3キログラムのS600モデルなら、持ち運びしやすいので普段使いにぴったりです。S600モデルの規格は電池容量557Wh、定格出力800Wとなっており、18Wのスマートフォンの充電は約31回、30Wのノートパソコンなら約19回、55Wの電気毛布なら約10時間の仕様が可能です。万が一の災害時はもちろん、重さ約8.3キロと持ち運びがしやすく、日常的に使いやすいところが大きなメリットです。
万が一の災害時に、家庭にひとつ、地域の防災倉庫にもあると安心
ポータブル電池を今回初めてモニター体験したのですが、持ち運びできる電源は何かと便利でインドア派でも楽しめることが分かりました。そして、なんといっても万が一の災害時の非常用電源として使えるという安心感。もし今ご家庭で特に対策を取っていないのであれば、一台持っていても良いのではないかと思います。
購入の際は置き場所を確保して
一台あると楽しめるポータブル電源ですが、置き場所の確保が必要です。大きな「S2200」モデルの寸法は、幅200 x 長さ430 x 高さ300 (mm)、重さは20kgです。こちらはハイパワーなだけあって大きく、重く、人力で移動するのはちょっと大変です。ですので、車で移動するキャンプと車中泊など、一度載せてしまえばあまり移動しなくて済むような使い方がおススメです。
小さな「S600」モデルの寸法は、幅200×長さ290×高さ263(mm)、重さは約8.3kgです。こちらもアウトドアで使用するのはもちろんOKですし、室内でこまめに場所を変えながら使うという方法にもおススメです。
ご自身のライフスタイルや、家族の人数、災害時の状況などをご検討の上、ポータブル電源という便利であると安心なものの活用もぜひご検討ください。
参考サイト
【新商品】SABUMA ポータブル電源 S600sabuma.jp
SABUMA ポータブル電源 S2200[2022年度グッドデザイン賞 受賞]sabuma.jp
近代絵画を代表するアンリ・マティス(1869-1954)の20年ぶりの大回顧展
近代絵画を代表するフランスの巨匠、アンリ・マティス(1869-1954)の日本では20年ぶりの大回顧展が東京都美術館で開催中です。会期は2023年4月27日~8月20日まで。
日時指定予約制になっているので事前予約が必要です。当日券もあるそうですが、確実に入場するために予約をお勧めします。日本語の音声ガイドは会場入り口で650円で借りることができます。
展覧会がはじまって間もなくの5月の上旬の土曜日に、マティス展を見に東京都美術館へ行ってきました。
マティスと言えば、同世代ではピカソ、クレー、ジャコメッティなどいずれも20世紀を代表する芸術家が活躍しています。マティスの描く絵は、生涯を通していろいろな変化を見せてくれますが、ピカソのキュビズムの影響を受けたと思われる絵画なども見ることができます。
マティスの絵は、純粋な色彩による絵画様式であるフォーヴィズム(野獣派)を生み出しました。その鮮やかな色彩や光の当たり方などに、私たちの感性に訴えるものがあります。
今回の回顧展では絵画だけでなく、彫刻やデッサン、晩年に取り組んだ切り絵、そして最後の集大成である南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂の資料まで、たっぷりマティスを楽しめる構成になっています。
会場内には写真撮影可のゾーンもあります。いくつかご紹介しましょう。
写真撮影は不可でしたが、マティスが晩年、集大成として取り組んだ南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂など、見どころは満載です。
見学が終わった後は、ミュージアムショップがあります。最近のミュージアムショップは充実していて、美術館へ行く楽しみの一つになっていますね。
マティスの描いた絵を用いて、絵ハガキやポスター、マグカップ、Tシャツ、バッグ、手ぬぐい、カップやアクセサリー、バッジなど。私はマティスの切り絵のポスターを購入して、自宅に飾りました。
会期はまだまだありますので、興味のある方はぜひ足をお運びください。
ムンバイのアールデコ建築
インド・ムンバイには 数百のアールデコ建築群 があることをご存じでしたか?
ムンバイのアールデコ建築群が世界遺産に登録
ムンバイ(旧ボンベイ)はインドの西海岸にあるインド最大の商業都市です。ちょっとイメージが湧きにくいですが、そのムンバイに多くのアールデコ建築群が現存しており、2018年に ヴィクトリアン・ゴシックとアールデコの遺産群 として文化遺産として世界遺産に登録され、観光スポットになっているそうです。
アールデコとは
20世紀初頭(1920~30年頃)、アールヌーボーの次に世界で流行した装飾技術です。アールヌーボーが植物をモチーフにした曲線的で一点主義だったものに対し、アールデコは直線的・幾何学的で大量生産も可能なデザインで、パリを中心にヨーロッパ、アメリカで花開きました。建築だけでなく、家具、工芸、ファッションなどの分野でも取り入れられました。
アールデコ建築と言えば、有名なのはアメリカ・ニューヨークのクライスラー・ビルディングやエンパイヤ・ステート・ビルディング、日本では東京都庭園美術館や山の上ホテル旧館などがあります。
そんなアールデコ建築がインドのムンバイにたくさん残っており(その数はマイアミに次いで2番目に多いとのこと!)、さらに文化遺産として世界遺産に登録されたとのこと、インド好きとしては、これはぜひムンバイまで見に行かなければ!と思いました(コロナが収束してからになりますが…)。
ちなみにムンバイのアールデコ建築はインド独自に発展したものの影響もあり、「インド・デコ」とも呼ばれているそうです。また、アールデコ建築を改装してそこに住むことが インド人の憧れ なのだそうです。
名作住宅が人気SHOPへ!洞窟のような空間体験
牛田栄作+キャサリン・フレンドレイが完成させた名作住宅「TRUSS WALL HOUSE(トラス ウォール ハウス)」が用途変更し、人気SHOPとして2021年7月9日に新生OPEN!早速訪問して参りました。
出店したのは兵庫県西脇市の地場産業である播州織(ばんしゅうおり)を扱い、今では世界的なブランドとなった「tamaki niime」の東京アンテナショップです。
個人邸だった時は外から見るのみだったその不思議な建物の内部空間とSHOP店内の様子をご覧ください。
いよいよ建物内部に入ります。前面道路から向かって右側の階段を上って木製の扉を入ると玄関があり、靴を脱いでスリッパに履き替えます。この辺は個人邸の名残りですね。その後、大きなソファーのあるリビング空間へ。暑い日だったので冷たい飲み物をいただき、ここで荷物を預けました。
こちらで一息ついた後、まずは主に衣類などが展示されている地下2階へどうぞ、と言われて階段を降りていきます。
階段を降りて着いた地下2階は壁がない広い空間になっています。階段からまず目につく奥まった場所は、洞窟をイメージさせる薄暗い空間に色鮮やかな藩州織の商品が展示されていました。
ここ地下2階には小さなボイド(吹き抜け)を通してわずかな光が届いています。ボイドを囲うように商品陳列スペースが設けられています。
この地下2階部分には播州織の様々なデザインの洋服やショール、靴、アームカバーなどの小物もあります。洋服は、丈が長め、短め、半そで、長袖のチェニック(基本的にたっぷりしたデザイン)中心に、襟付きのシャツ、パンツ、と男性用・女性用と区別はなく、気に入ったものをどうぞ、とのこと。全て一点ものとのことです。どれも素敵で目移りします。
観終わって一つ上の階へ移動。
地下1階は布地コーナーと端切れコーナーなど。ミシンを使いこなせる人なら気に入った布地を購入して自分で作ってもいいかもしれません。こちらも洞窟に入ったような空間です。壁も天井も有機的につながっています。壁には洞穴もありますね。
地下2階と1階を楽しんだあとは、1階のリビングスペースに戻ります。
1階のおもてなしペースにつながるベランダ空間(画面左に曲線のソファーがあります)。一転して明るい陽射しがまぶしいです。
屋上に登ってきました。小さめの空間に緑化が施され、商品の展示も。風が通り抜ける気持ちよいスペースでした。
目の前は小田急線が通っています。
1階の店内に戻りました。小物類や、共感した他ショップの商品なども展示されています。宇宙船の小窓のようだった丸窓から外のグリーンが見えて、インテリアに映えていますね!
長年見てみたかった名建築が個人邸からSHOPに用途変更され、内部を堪能することができました。フェィスブックやラインなどを拝見すると、tamaki niimeさんはこちらの建物にインスピレーションを受けて東京への進出拠点にすることを決められたとか。
外から見ると小さな丸窓がいくつかあるだけで決して内部をうかがい知ることができなかった名建築「TRUSS WALL HOUSE(トラス ウォール ハウス)」。中に入ると1階の元リビング・ダイニング・キッチン空間はとても明るく、その意外性も楽しかったのですが、一方で階段や地下空間は期待を裏切らないまさに洞窟のような不思議な空間でした。
この不思議な「TRUSS WALL HOUSE(トラス ウォール ハウス)」はこの世の中で一点しかない建物です。ここに進出を決めた「tamaki niime」も全て一点ものを扱うアパレルSHOPということで、きっと通じ合うものがあったのではないでしょうか。
藩州織の商品は、色ももちろん素敵ですし、布の肌触りも気持ちがよく、何といっても軽い!ショールや靴も素敵だったのですが、お洋服も素敵でしたよ。私も一点購入させていただきました。
元個人邸なのでこじんまりとしていますが見どころはたくさん!皆さんもご都合の良い時にぜひお店を訪問して不思議な空間と藩州織の展示のコラボをお楽しみください。
※許可をいただいて撮影と公開をしています。
【SHOPデータ】
tamaki niime TOKYO MACHIDA
-------- 2021/7/9 OPEN --------住所:東京都町田市大蔵町 1-3
TEL:042-708-9800
営業日時:水〜日 11:00〜17:00
アクセス:小田急鶴川駅北口より徒歩5分
※お車でお越しの際、駐車場は近隣のコインパーキングをご利用ください。 www.niime.jp
家事がラクになった!コスパ良し!家に来てくれてありがとう マキタ充電式クリーナー
今回は、使い始めて生活が変わった!と思った家電「マキタ充電式クリーナー」について語ります。この製品は、スティック状の充電式の掃除機です。最近我が家にやってきた、大変スグレモノの掃除機です。
2階建ての戸建住宅の我が家では、基本的に1階ではロボット掃除機を愛用しています。ロボット掃除機は段差を超えられないため1階専用で使い、1階と2階をつなぐ階段と2階の床掃除は普通のコード付きの掃除機を使っていました。しかし、重い掃除機を手にもって階段を上り下りするのはなかなか大変なため、階段部分はホウキで掃くようになりました。
このように
・ロボット掃除機(1階)
・コード式掃除機(2階)
・ホウキ(階段)
同じ家の中で3種類の道具を使って床の掃除をしていた我が家に、コードレスで軽量なスティック状の掃除機がやってきました。すると……
掃除がぐっと、ぐぐっと、ラクになったのです!
まずは、コードレスということで、部屋の移動のたびにコードを抜き差しする必要がなくなり、移動がスイスイできます。コードが届く範囲というしばりがない、その自由さ!
ムダを省いたコンパクトな造りで軽く、持ち運びしやすく、本体がスティック状で、かつ付属品のサッシ(すきま)用ノズルを使えばベッドボードの後ろの隙間の掃除も、とてもしやすくなりました。
あまりにもラクに、短い時間でで掃除ができるようになったため、私が出かけていて掃除機をかけられない時は、家族が代わりに掃除機をかけてくれるようになりました。
これが一番大きな変化かもしれません。
それに「そんなに大変じゃない」とわかっているから、頼みやすい。
もしかして、掃除機が家族関係も円滑にしてくれているかもしれません!
マキタ(Makita) 充電式クリーナ 10.8V (バッテリー内蔵・充電器付) アイボリー CL105DWI
- 出版社/メーカー: マキタ(Makita)
- メディア: Tools & Hardware
- この商品を含むブログを見る
マキタのクリーナーは、 ダイソンの高級クリーナーのような高級感はないかもしれないけれども、懐かしいレトロなデザインです。吸引力も十分です。何といっても1万円ちょっとで買えるコスパの良さが光ります。紙パック式なので、ゴミがたまったらポンと捨てられる手軽さもよいです。
気軽に掃除できるようになると、例えば共働きで忙しいため週末にしか掃除機をかけられなかったご家庭でも、気になった時にササっと掃除機をかけるようになるなど、暮らしのスタイルが変わるほど大きな影響力があると思います。
「ライフスタイルが変わった」とまで思わせてくれる家電ってそうそうありません。忙しいご家庭や、軽くて取り扱いがラクなため高齢の方におススメの家電です。
天井照明と一体化し、場所を取らない空気清浄機
わが家は4人家族の全員が花粉症で、症状の軽い重いはそれぞれですが、特に症状が重い家族の花粉対策には気を使っています。
例えば洗濯物は外には干さない、花粉の時期には窓を開けたところをぐっとガマン、時にはエアコンの送風機能を使い、リビングの空気清浄機は24時間365日、稼働させています。
このリビングの空気清浄機について、そろそろ買い替え時かなと思い、いろいろ探しているのですが、ある程度の能力が欲しいとなると形も大きくなり、お値段も高くなり「うーーん」と悩んでいました。
そんな今日この頃ですが、
照明と一体型になっていて場所を取らない空気清浄機
があることを知りました。
一つ目は2018年1月に販売開始となったsharpの「天井空清」。
天井のLEDシーリングライト(照明機能)と空気清浄機能を兼ね備えています。
■sharp「天井空清」
天井から下に垂れ下がるペンダントライトと違い、天井にくっつくシーリングライトなので、圧迫感がなさそうです。
照明器具としては調光10段階で寒色から暖色まで、プラス八重桜とソメイヨシノの桜色もあります。
一番下のフロントパネルから室内の空気を取りこみ、照明器具に内蔵されたフィルターを通してキレイになった空気が上部側面から排出されます。
画像出典:いずれもsharpホームページより
照明器具としても、空気清浄機としても高性能とのこと。
空気清浄機能としては、花粉の1/12の大きさしかない小さな粒子のPM2.5まで、しっかり除去する能力があるとのことです。
また、静電HEPAと脱臭が一体化したフィルターが内蔵されているため、ニオイもちゃんと除去してくれるとのこと。うれしいですね。
リビングの真ん中の天井に、ドンとつけたいイメージです。
もう一つは、食卓の天井につけたい
富士工業株式会社のcookiray(クーキレイ)。
2012年9月の発売とのことで、こちらが照明一体型空気清浄機の草分け的な存在といえるでしょう。
■富士工業株式会社「cookiray」
※上の写真は高級感がある「ウッドブラック」。デザインは数種類あります。
食卓の上で発生した油や煙、ニオイを吸い込んで、照明器具に内蔵されたフィルターを通してキレイな空気を室内に戻してくれます。
画像出典:いずれも富士工業ホームページより
こちらのすごいところは、繰り返しになりますが、食卓を照らすペンダントライト(LED照明)として使用しながら、食卓で出たニオイや油、煙をカットしてくれる点です。
マンションや、近隣住戸がひしめき合うような環境では「ニオイ」も近隣問題のひとつとなっていますが、こちらはそんな悩みも解消してくれそうです。
また、室内にニオイがついたり油が飛び散ることを懸念して、自宅で焼肉を自粛しているご家庭もあると思います。そんなご家庭にも良さそうです。
sharpの「天井空清」と富士工業の「cookray」、この二つとも、天井に引っ掛けシーリングがついていれば、自分でつけることができます。
床に置くタイプの空気清浄機は、置き場所に困ったり、コードが危険という悩みがありましたが、これらのように、天井の照明器具と一体化してしまえばそんな悩みも解消されますね。
なにより「空気清浄機を天井にもっていっちゃおう」という着眼がユニークだと思います。
発想や機能は素晴らしいのですが、次に気になるのはそのお値段です。
sharpの「天井空清」FP-AT3 は本日の価格.comの最安値で69,448円。
富士工業のcookirayは、同じく本日の価格.comの最安値で31,795円(ホワイト)~79,932円(ウッドブラック)となっています。
(cookrayは照明器具のデザインによって価格が変わります)
空気清浄機能の「場所を取らない」ということにどれだけ価値を置くか、でしょう。
新築の家で、照明器具と空気清浄機を、両方とも「これから買う」という時は、いいかもしれませんね。
花粉症の人にとっては、空気清浄機はマストです。
わが家でも熟考中ですが、空気清浄機を検討している人は、今回ご紹介したような、
照明器具一体型で場所を取らない空気清浄機も、ひとつの選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
スマホでピッ!とお買い物。中国の電子マネーを体験
2018年のお正月、上海へ行ってきました。
上海に行くにあたり、現地で使うお金はどうしたらよいか?という話になりました。
一般的に、外国に行く場合、日本円(現金)を持っていき、現地に到着してから空港や銀行で現地通貨に両替するパターンが多いのではないかと思います。もちろん、クレジットカードを使う場合もありますが、小さなお店などで使えないことも想定し、少しくらいは両替しますよね。
しかし、中国の場合はちょっと違うようなのです。今回、私たちの旅のガイドを担当してくれた、上海生まれ、上海育ちのA氏(30代男性、既婚、子持ち)によると、現在、上海ではほとんど現金のやり取りはせず、電子マネーで決済しているとのこと。
つまり、スマホでピッ!とするだけで、ありとあらゆる支払いを済ませてしまうことが可能なため、普段は現金を持ち歩かないというのです。
日用品の買い物はもちろん、光熱費の支払い、銀行のローン、飛行機や列車の予約や支払い、お年玉や結婚のお祝いなども、全て、電子マネーで決済。なんと、街中の物乞いへの寄進も電子マネーでするらしいです。
そういう社会になってきているため、旅行者が現金で買い物をすると嫌がられたり、おつりがないお店もあるというのです。それは困りますよね。
こんなこともあろうかと、私の同行者の一人はあらかじめ、日本国内で「WeChatPay(ウィチャットペイ)」を開設して来ていました。
「WeChatPay(ウィチャットペイ)、微信支付」は「Alipay(アリペイ)、支付宝」とともに中国でよく使われるスマホベースの2大決済手段の一つです。
↑ こちらがWeChatPay(ウィチャットペイ)のスマホの画面です。
これを使い実際に決済をしてみたところ、ほとんどのところで可能でした。
一部電子決済できなかったところは、
・田子坊(たごぼう=雑貨店などがひしめくショッピングエリア)のお饅頭屋さん
・豫園(よえん=商業施設の集まるショッピングエリア)のお土産屋さん
・タクシーの支払い(の一部)
・地下鉄の切符の購入 でした。
地下鉄の切符の購入については、現在は現金のみですが、すでに電子マネー決済用の販売機がスタンバイされていたので、もう少ししたら電子マネーで購入できるようになるでしょう。
↑ こちらが地下鉄の券売機です。現金で購入中。
↑ こちらが地下鉄の切符。切符は降りる時に回収されます。
現金での買い物もしましたが、滞在中拒否されるなど困ることはありませんでした。それはたぶん、観光客が良く行くところでは、まだ現金でのやり取りが残っているからだと思います。お土産屋さんで一か所、おつりの小銭がなかったところがありましたが、その分はおまけしてくれました。
では「現金でお買い物をしていればいいじゃないか」というとそうでもなく、中国ではおつりの中に偽札や破れて使い物にならない紙幣を混ぜたり、小銭のおつりを出してくれない等のトラブルがあるそうです。そう考えると、旅行者にとっても、小銭まできっちり決済できる電子マネーはそれらの心配もなくなり、便利である、と言えると思います。
中国では、この電子マネー決済により国民の「信用度」を点数化する動きがあるそうで、きちんと支払いをしている人の「信用度」は高得点となり、優先的に予約できたり結婚や就職でも有利になるなど、さまざまな特典を得られるそうです。反対に支払いを滞ったりすると、ブラックリストに載ってしまい、ホテルや飛行機の予約も取れなくなるそうです。中国では、そのようにして「信用度」を管理される社会が構築されつつある、とのことです。
中国でのキャッシュレス社会やスマホ依存は日本よりずっと進んでいることを体感しました。日本でもいずれ中国のようにスマホで何でも決済するようになるかもしれないし、知らないうちにデータを取られて格付けされる社会になるかもしれませんね。もしそうなったときに、それが私たちの暮らしにどのような影響を与えるのか今は想像できませんが、まずは中国がどのように変わるのかを見ていきたいと思います。
参考サイト
「信用」が中国人を変える スマホ時代の中国版信用情報システムの「凄み」
日本国内でWeChetPayを開設してお金をチャージする方法