アトリエ日記 ~女性建築士のつぶやき~

建築、住まい、日々の暮らしのことをつぶやいていきます

終の住処(すみか)の探し方 女性自身6月23日号(6月9日発売)

6月9日に発行された綾瀬はるかさんが表紙の『女性自身』。

そこで「終の住処(すみか)の探し方」という特集が組まれています。

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私はその中で、建築士の立場から、終の住処として一戸建てからマンションへ住み替えるときのポイントをお話しさせていただきました。昨日見本誌が届き、拝見したのですが、いろんな人や専門家に取材をしており、わかりやすく参考になると思ったのでご紹介いたします。

 

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内容は、夫を亡くしサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)に住み替えた方へのインタビューから始まり、家族を取り巻く変容などから高齢になって住み替えが必要になることをシニア社会学の観点から説明し、おひとり様のプロ・ジャーナリストの方がおひとり様の終の住処の選び方を指南し、東京から田舎暮らしに転じたご夫婦のお話、最後にはやはり気になる費用の話で終の住処への住み替えに必要な資金ファイナンシャルプランナーの方が解説しています。全部で8ページほどですが、なかなか読み応えあり、よくまとまっていると思いました。

 特に最近政府が高齢者になったら地方に移住することを推奨しているのですが、本当のところどうなんだとうと実感を持ちにくいところだと思いますが、実際に移住された方のインタビューが参考になると思います。

 私も東京のはずれの戸建てに住んでおりますが、すでに二人の息子には「老後はあてにしないでね」とさわやかに言われています。私も「あてになんてしません」と返しますが、確かに2世帯の造りにはなっていないので同居は難しいでしょう。そうなると、老後一人になった時に、ここにずっと住んでいられるかどうかはわからないと思いました。

特に核家族化が進んでいる都市部では、終の住処をどこにするかは、とても大きな問題だと思います。物件を決めたり、引っ越ししたり、資金面に関しても、ある程度体力・気力のある時に決めたいものです。

 

 

 

オリジナルの手洗い鉢はいかがですか。

ただいま、自宅の1階にあるトイレのリフォームを計画中です。

 トイレといっても比較的広く、現在便器と洗面台が別々についています。便器は手洗のついた従来品で、洗面台にいたっては、だれもここで洗髪しないのに、なぜかシャンプードレッサー。

 ここはお客様も使用するので、ゆっくりくつろげるレストルームに変身させようと思います。まずは必要のないシャンプードレッサーを撤去し、手洗カウンターを設けることに。

 手洗ボウルは、この春まで山形市に住んでいたこともあり、何度か訪問した山形の窯元さんにお願いして、オリジナルの手洗い鉢を作ってもらうことにしました。

 3月上旬に窯元に行き、以前こちらで製作したという手洗い鉢を見せてもらいました。

 

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左上は、丸型で平たい形をしており、洗練された印象です。

右上も丸型ですが比較的深く、実用的な形です。

下は四角で大きく浅く、和風の渋い仕上がりになっています。

 

これらを参考にしながら、形も色も好みを伝え、オリジナルで焼いてもらいます。焼くときはいつも同じものを複数個焼いて、その中から選んでもらっているとのこと。ここにあったのは、過去に注文を受けて残ったものです。

 

じっくり検討した結果、実用性を重視して、形は右上の丸型と同じにしました。

ちなみに寸法は直径28センチ、高さ10.5センチ、底の径は12.5センチです。

 色は、どれもステキなのですが、どんなものにも合って、この窯元の代表的な作品で多用されている「白」でお願いしました。

 

そして一か月ほど待ち、待望の手洗い鉢ができました。それがこちらです。

 ■斜め上から見たところ

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■真上から見たところ

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シンプルながら…とてもきれいに焼けています。

 陶磁器のように真っ白というわけではなく、ところどころに班が入り、表情があります。和でもあり洋でも合うような仕上がりです。掃除がしやすいようツルツル仕上げにしてもらいました。

 

ちなみに今回オリジナルで作っていただいた窯元さんは、山形・平清水焼きの窯元 「七右ェ門窯」さんです。最近、このような陶器の手洗い鉢は人気があり、あちこちの窯元から出ているようですが、手洗い鉢は長い間、毎日使うものなので、思い出のある窯元さんで作ってもらえてうれしいです。

 

この手洗い鉢を元に、このあと鏡、水栓、タオルかけ、照明、壁紙、カウンターなどを決めていきました。次回は悩んで選んだその他のパーツをご紹介します。

 

 

 

山形・平清水焼きの窯元 七右エ門窯山形・平清水焼きの窯元 七右エ門窯

 

 

 

 

気候が良くなったら騒音対策を

窓を開け放しにするとよい風が入ってくる季節になりました。

窓を開けていると、風だけでなくさまざまな音も飛び込んできます。例えば外を走る車の音や、ご近所から聞こえる人の話し声やペットの鳴き声など。

ご近所からそのような音が聞こえてくるということは、自分の家から出る音も周囲に聞こえているかもしれません。それが、あまり大きな音だとご近所に迷惑を掛けるかもしれないので、日ごろから自分でできる騒音対策を取っておくといいですね。

 

今回、工事はせずに、各家庭で自分でできる騒音対策を公明新聞(公称80万部の全国紙)に寄稿し、5/14に掲載されました。

 

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事前に大型ホームセンターに取材に行きましたが、隙間テープや防音カーテン、これからの季節にぴったりなイ草のラグなど、さまざまな騒音対策グッズが売られていました。

 

■防音カーテン

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■防音性のあるイ草ラグ

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特に多くの人が集まって暮らすマンションや、隣住戸との距離が近い住宅街などでは音には気をつけたいものです。

例え風鈴のような良い音色でも、一定以上の大きな音になると「騒音」と捉えられることも。ご近所関係を良好に保つためにも、日ごろからできるだけ対策を取っておきましょう。

 

そしてもし迷惑を掛けているなと思ったら「いつもすみません」という気持ちを伝えましょう。そういう心がけこそ、実は一番大切なことではないでしょうか。

 

 

 

 

増えるといいな、木造の学校

「学校」と言えば木造校舎だったのは遠い昔で、今ではコンクリート造の校舎がほとんどです。でも最近ではまた木造でつくることが推奨されています。

 

木のぬくもりを感じられる建物っていいですよね。学校だけに限らず、今日本では「公共建築物を木造でつくろう」という流れができています。森林の多い日本で資源を有効活用するためにですが、建物を利用する側にとっても、木をたくさん使った建物は落ち着きますよね。

 

でも、木造で大きな建物を建てるのは至難のワザでした。防火・耐火性の問題や構造計算が複雑で大変なこと、確認申請にも多大な労力が必要だからです。

 

そこで今回、より簡単に学校の計画・設計ができるようにJIS規格の全面的な見直しが行われたということで、昨日設計者向けのセミナーを受講してきました。

 

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建物をある程度規格化することで、以下のようなさまざまなメリットが生まれるということでした。

①開放的で自由度の高いプランができる。

②構造設計業務が省力化できるので、木造のできる構造設計者が不在の地域でも安全で合理的な木造校舎の設計ができる。

③中大規模木造の建築確認手続きの困難さが解消できる

 

この手法は学校だけではなく、他の建築物でも使えるそうです。これからは、大規模な建築物でも木でつくられることが増えるでしょう。

 

私もぜひトライしてみたいので、なにか計画があるかたは、ぜひ「住まいのアトリエ 井上一級建築士事務所」までお問い合わせくださいませ。

 

 

木造の大規模建築物と言えば、この日セミナー会場になった新木場の木材会館も木をふんだんに使った建物です。平成21年に竣工した時にも見学に来ましたが、月日が経っていい感じになっていました。

 

■外観

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■エントランス

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■セミナー会場となった7階大ホール

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■大ホール横のウッドデッキ

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■女子トイレの手洗い

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■1階ホールのオブジェ

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 外壁、軒天、内装にふんだんに木が使われています。

こちらの建物は随時見学も可能ということです。

 

東京木材問屋協同組合 木材会館